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@rkm17
2026年7月7日
悲しみの歌
遠藤周作
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読書メモ
『海と毒薬』の続編。時代的には70年代中盤の話。まず出不精の私でも比較的よく行く新宿を舞台にしてるから土地勘としてわかりやすいのはよかった。
連載小説らしい大衆小説らしい、良くも悪くも俗っぽい展開がここのところ初期の小説を読んでいた私には変化を感じて面白く感じた。深刻な話でも、遠藤周作のもう一つの側面であるおふざけ的な視点が出てくるから、そういうのもあるのかもしれない。狂言回しの使い方も効いてる。といってもあの続編なのだからシリアスで毒味は残ってるし、また問題を投げかけているんだけどね。
その投げかけた問題については、私自身も当事者性があるので実はここで突きつけられるとは思わなかった。そして私も両義的に考えている。
【⚠️ここからは一種のネタバレ】
ええと15分だっけ?30分だっけ?とにかく「その人の生きてきた文脈を無視して、本当に数分話を聞く程度で引き出した発言によって人格を断定できるのか?」っていう疑問を投げかけるくだりがあるのだけど、今なんて140文字、いや1文そこらで断定されて正義の鉄槌振り下ろされる。一種のリンチ。
でもいわんとしていること、やってることは現代に通じるし、人間ってツールが変われどやることそこまで変わってなくないか?と思いました。変わらず「良心」がテーマになっている。
でも今回の主要なテーマは「疲れ」なのでしょう。バーンアウト。『海と毒薬』にもあったそこの部分を掘り下げたんだろうけど、その疲れというものがわかるようになるお年頃だなと思ったら遠藤周作自身がこれ書いたとき今の私の年頃だったようです。
あと、そうだ、この時期の小説には特にありがちなんだけど、あらためて、もう30年ぐらい前に読んだ斎藤美奈子さんの有名な書評エッセイを読み返したくなった。本書の話もあったかは記憶にないけど。