繁栄はん "万事快調〈オール・グリーンズ..." 2026年7月2日

万事快調〈オール・グリーンズ〉
ストーリーは正直かなり薄く感じた。心を大きく動かされる場面も少ない。 映画、絵画、音楽、書籍などのサブカルチャーが数多く引用されており、作品世界に現実味を与える効果はある。一方で、その引用はかなり局所的で、すべてを理解しながら楽しめた読者は多くないのではないかとも感じた。 明確なヴィランが存在し、登場人物が成長・変化していく構成は良かった。ただ、その成長が犯罪行為を通して描かれるというテーマには最後まで抵抗感があった。また、地の文で「( )」を多用する文体も、私にはあまり合わなかった。 ラストも大きなオチはなく、リアリティに欠ける印象を受けた。 そもそも本作は大麻栽培を題材にした小説だが、その栽培過程や、育てること自体の面白さ・喜びは驚くほど薄い。しかし、その方向性は序盤から感じ取れたため、途中で期待を裏切られたというよりは、「やはりそういう作品だった」という読後感だった。
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