梔子 "汝、星のごとく" 2026年1月3日

梔子
梔子
@asago_404
2026年1月3日
汝、星のごとく
おそらく6回目くらいの再読。 ネットでの感想や知人などの感想を聞いてみて思うことは、暁海や櫂に共感出来ず否定できてしまう人生の方が、きっと幸せで生きやすいのだろうということ。 彼らの背景はしっかり書かれている。もちろん全てを擁護する必要はないし、されてはいけない部分もある。それでいて、どうしてそうなってしまうのかを考えずに正しくない、歪んでいる、もっと頼ればいいのにと切り捨ててしまう人がいることも知った。 そういう人たちは、視野が狭いか、自分を正しいと思いたい人が大半だと、だいぶ割り切れるようにはなったけど、決して悪意はないその無神経さに勝手に傷付けられてきた側からすれば、この本に出てくる不器用な彼らの生き様は救いに見えた。 ただ必要以上に美化されて感動的な愛の話!と評価されているのもどうかなと思うこの頃。正直な話、櫂の死がなければここまで話題にならなかったと思うし、二度目の本屋大賞も作為的なものを感じたのも事実。 彼らは特別ではなく、どこにでもある人生を送ったよくいる人たち。 生い立ちだってこういう人はいくらでもいる。それを知らない人達が勝手に罰したり、哀れんだりしているだけ。 『流浪の月』と良い対比になっていると思う。 自分の意思とは関係なく〝普通〟から外された更紗と文。 自分の意思で〝普通〟から外れた暁海と櫂。 でも共通しているのは、当事者同士で納得していることには口出ししないというメッセージ性があるにも関わらず、流浪の2人はよくて汝の2人は理解できないというのは、どちらからも何も読み取っていない証拠ではないのかと思う。 汝の評価される部分ってこういう、読んでる側に投げかけてくる『人との関わり方において自分は大丈夫だと思い込む危うさ』だと思うのだけれど、ラストのせいで霞んでしまっているのが残念。 色々語りたいけれど、永久に書いてしまうので...最後に、回り道をしなければ得なかったものがあると、暁海が誰に言われるでもなく気付けたことが私は読んでいて純粋に嬉しかった。
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