それぞれのカルピス "まなざしの地獄" 2026年7月2日

まなざしの地獄
貧困とはたんに生活の物質的な水準の問題ではない。それはそれぞれの具体的な社会の中で、人びとの誇りを挫き未来を解体し、「考える精神」を奪い、生活のスタイルのすみずみを「貧乏くさく」刻印し、人と人との関係を解体し去り、感情を涸渇せしめて、人の存在そのものを一つの欠如として指定する、そのようなある情況の総体性である。 〈鯨を食う〉夢に託してN・Nが語ろうとしたのは、貧困とは貧困以上のものであること、それは経済的カテゴリーであるより以上に、社会的存在論のカテゴリーであること、貧しさが人間を殺すということ、このことの無念ではなかっただろうか。 〈斧がわたしの首を切るずっと前に、わたしのなかで死んだ朗らかな子供〉(サルトル『聖ジュネ』) p52
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