舳野 "黄色い雨 (河出文庫)" 2026年6月30日

舳野
@henomohe
2026年6月30日
黄色い雨 (河出文庫)
黄色い雨 (河出文庫)
フリオ・リャマサーレス,
木村榮一
滅びた村でひとり死んだ男による回想。 住人が全員出て行ったあと、妻が自殺。男は雌犬と細々と暮らしていく。妻の幽霊や母親、他の家族の亡霊が出てくるし、誰も姿を見ていない生まれつき寝たきりの子供の幻が幽霊というより怪物みたいに飛び出してくる。 家はどんどん崩れていき、象徴のようにポプラの黄色い葉、黄色い雨が降り積もる。 ずっと死を見つめ続ける彼は残った雌犬をたったひとつ残った銃弾で射殺してやり過酷な生活と孤独に蝕まれ衰弱死する。 滅びの文章が圧倒的に美しくて滅入りながらも読み切った。 超短編は孤独で忘れられたような男が勝手に鉄道を止めたり、発表しない、できない小説を書くというサキの短編みたいな小説。世間的には落伍者とみなされる男の一生ということは共通してるけど雰囲気はかなり違う。
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