
本屋lighthouse
@books-lighthouse
2026年7月2日
アウステルリッツ(新装版)
W・G・ゼーバルト,
鈴木仁子
読んでる
書店員オープンチャットで共有される転売屋からの横暴やクレームの数々に疲弊してしまう。しかし私のお店には昨日今日とほとんど人が来ていない。と書いた途端、私のライフがゼロになった。急に具合が悪くなる。そう、『急に具合が悪くなる』の感想文を書きたいのだけど、元気が出ない。少し奥の部屋で倒れて、景気づけに『アウステルリッツ』をひらく。
現行の法規にほんのちょっと違反しただけで、裁判で自己弁護の時間を九十秒与えられたあと死刑の判決を受け、そして法廷のすぐ脇の処刑室でただちに首をくくられることもあった。(p.168)
昨日、転売屋が書店に殺到したあとの、もはや「残骸」と言ってもよいような荒らされ具合の本棚が写真の形をして目の前に現れた。私はそれを「写真の形をしたもの」ととらえることでどうにかなにかを保ったのだけど、あの残骸は明確に、ひとがいかにして簡単に一線を踏み越えるのか、たとえば虐殺にいたるのかを示しているように思えた。昨日、書店に殺到したのは、そこを一歩出れば善良な人と称されてもおかしくない人たちだったはずだ。

