ごうき
@IAMGK
2026年7月2日

太宰治全集(9)
太宰治
読み終わった
太宰治『美男子と煙草』
「私は北国の雪の上に舞い降り、君は南国の蜜柑畑に舞い降り、そうして、この少年たちは上野公園に舞い降りた、ただそれだけの違いなのだ、これからどんどん生長しても、少年たちよ、容貌には必ず無関心に、煙草を吸わず、お酒もおまつり以外には飲まず、そうして、内気でちょっとおしゃれな娘さんに気永に惚れなさい。」
10ページもない短編。滅茶苦茶面白かった。太宰が編集部の人に連れられて地下街を歩いたというエッセイだが、この短い話の中に彼の優しさと面白さが詰まっている。太宰の優しさは、弱さからくる優しさ。だから彼はマタイを読んでイエスに泣いたし、「日陰者」からすれば天使のような人間だったのだろう。あと、とてもユーモアに溢れている。どういう頭してんだ。彼の作品を読まずして彼に会っていたら、こりゃ彼を愉快な人間のようにしか思えないだろう。あと、滅茶苦茶大人だ。一人で酒を飲んでいたら訳のわからぬ文学徒に囲まれて見当違いの説教をさせらたけれども笑って聞き流していたなんて、すげえなあ。俺だったら、発狂の1つや2つでもしてしまって、たちまちお縄になってしまうのに。
