ドッグストエフスキー "すべての月、すべての年 --..." 2026年7月3日

すべての月、すべての年 --ルシア・ベルリン作品集
好きだった作品:「ブルーボネット」「泣くなんて馬鹿」 「掃除婦のための手引き書」に続き読んだ。原語ではこの二冊分の作品が一冊にまとめられていたらしい。 ルシア・ベルリンの十八番である自伝的要素はしっかり残りつつも、「掃除婦の〜」と比べると、より短編小説のおかしさが目立つ作品が多い。著者が好きだったチェーホフ的なオチの作品。「ミヒート」なんかはあからさまにチェーホフの「ねむい」のオマージュだろう。アメリカ中西部版「ねむい」だ。 前作と違い、いくつかの作品で著者は多角的な視点を発掘しようとしている。「笑ってみせてよ」「ミヒート」の視点の切り替えなんかがそうだ。ただし、「笑ってみせてよ」の弁護士パートはわかりやすく筆が鈍る。インテリでリベラルな中年男は彼女の得意なところではなかったのだろう。ベルリンは自分の見たこと、経験したことしか書けない作家だったのかもしれない。 人に薦めるなら「掃除婦の〜」からかな。
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