
本の虫のミノ
@hon-
2026年7月3日
フーガはユーガ
伊坂幸太郎
読み終わった
舞台は仙台。広瀬川や愛子駅などが出てくる。双子である風我と優我は、苛酷な家庭環境のもとで育つ。DV男の父と見てみぬふりをする母。しかし伊坂はシリアスに書こうとしすぎず、肩の力が抜けるような文体で書いてくれているため、スラスラと読めた。誕生日だけに起こる不思議な能力、表紙のタイトル下に青いてある「Twins Teleport Tale」は、その能力を表している。ふと思った。なぜ「フーガはユーガ」なのか。
「フーガとユーガ」ではダメだったのか。そこに伊坂の意図を感じずにはいられない。私の見立てでは、前者であれば双子特有の個性の共有や、入れ替わりができる彼らならではの能力を言葉で表すとしたら「と」よりも「は」の方が近いと感じる。入れ替わったあともフーガはフーガとして、ユーガはユーガとして周りから認知されていた。ならばフーガはユーガであり、ユーガはフーガなのである。2人で1つであり、かつ2人で2つの人生であることを表したのが「フーガはユーガ」なのではないかと感じている。


