ピエ "カタリ派とアルビジョア十字軍..." 2026年5月23日

ピエ
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@pie_202
2026年5月23日
カタリ派とアルビジョア十字軍 中世ヨーロッパの異端運動
12〜13世紀頃に南仏で広まったキリスト教の異端「カタリ派」と、その掃討のために派遣されたアルビジョア十字軍に関する論考。 初めに南仏の風土や経済、統治体制などを概観する章があり、フランス史をほぼ知らなくとも読みやすかった。 異端というと庶民の間で密かに信仰されるものといった勝手なイメージを持っていた。しかし南仏では領主たちに公然と支援され、特にその妻や母たちには、出家し自身の「信者の家」を建てて共同生活を送る者さえ多くいた、ということに驚いた。 しかしそのあまりに大っぴらな活動が、ローマを怒らせ、支配の拡大を狙う北仏からは異端撲滅を口実に征圧されてしまう。 カタリ派はかなり厳格な異端であったようだ。正式な信者である「完徳者」には、所有の禁止、禁欲、食事は餓死しない程度に最低限と、厳しい戒律が課される。しかし、信者ではないが彼らを支援した「帰依者」には何の制約も無い(情婦でも金の亡者でも構わない)ことには驚いた。 通常、帰依者は1年ほどの試練を経て救慰礼を受け、ようやく完徳者となれるが、例外的に、死の床にある帰依者は試練なしでの救慰礼を認められる。 教義からすると例外ケースだが、実際には極めて多かったようだ。元気な内は既成のモラルから解放され、死ぬ時には救済が約束されるとは、都合が良すぎるのでは…。死の淵からうっかり生還してしまい、焦って信仰を抜けようとした「完徳者」もいたそうだ。 学術文庫版は今年出たものだが、大もとは50年以上前に出版された本だった。著者も既に故人となっているが、解説は同じく南仏の中世史が専門の図師宣忠が、現在の研究も紹介してくれているのも嬉しい。
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