和月 "劇場という名の星座" 2026年7月3日

和月
和月
@wanotsuki
2026年7月3日
劇場という名の星座
心の調律をしているような心地がした。 光も影も生も死も、全てを包み込む劇場と、その空間を愛している人々の物語。 現実の色々な疲弊をやわらかく解きほぐしてくれるような短編集だった。 帝国劇場で観劇したことは無いけれど、ミュージカルや舞台を観に行く時の特別感や、公演中の没入感は本当に大好き。そういう観客目線でのお話もあれば、舞台の裏で働く縁の下の力持ち達を描くお話もあり、劇場という空間を様々な角度から愛でることが出来る一冊。 私は特に、全編通して迷子の少年が好き。 実話に基づくエピソードが殆どだと思うけど、著者の文章によってどこか神秘的なヴェールを纏う所も素敵。エレベーター係や着到板の名入れ係、幸運の椅子を見守る売店の人等、ほんとうに?と聞き返したくなる仕事の数々。それらに誠実に従事する彼らの姿はとてもあたたかい。 場所は違えど読み終わると観劇がより一層楽しみになる。私もいつか、新しく生まれ変わった帝国劇場を訪れてみたい。
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