eu "檸檬(れもん)" 2026年7月2日

eu
eu
@eu
2026年7月2日
檸檬(れもん)
檸檬(れもん)
梶井基次郎
これまで意識していなかったありふれた光景の描写が、視点を変えることでこんなにも違った魅力を放つのかと気付かされる。 特に『交尾』の中の一文「この地球にはじめて声を持つ生物が産まれたのは石炭紀の両棲類だということである。だからこれがこの地球に響いた最初の生の合唱だと思うといくらか壮烈な気がしないでもない。」には、目から鱗が落ちた。 また、『ある崖上の感情』の中で語られる、外から見る窓の中の描写が、パノラマに広がる風景からその一部を四角いフレームに切り出す写真の楽しみと同様に、四角い窓枠で切り取り並べているかの様で、心を打たれた。 一方で、『愛撫』の中で描かれる猫に対する扱いは、100年近く経った現代と何ら変わることがなく、猫の肉球を瞼に押し当てる描写には、思わずくすりと笑みが溢れてしまった。
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved