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読書は瞑想に似ている。 文字を追い、情景を想い描いていると、周りの騒音が消え、内へ内へと、深く、自然に集中している。 とても貴重で、贅沢な時間だ。
  • 2026年8月16日
    TUGUMI
    TUGUMI
    あの時、この『TUGUMI』に触れたことで、僕の読書習慣が始まった。 当時、現国の教材で文章の一部が取り上げられていて、何となく、本当に今思い返しても理由はよくわからないけど、何となく読んでみたくなって手に取ったのがきっかけだった。 ところが、今回再読する際、作品の内容を完全に忘れてしまっていた。 今は寛解しているけど、僕は過去に10年ほど鬱を患い、それ以前の記憶が所々抜け落ちた様に曖昧になっている。 映画や本、果てはゲームのストーリーなど、過去に触れた記憶はあるのに、その内容を全く思い出せないのだ。 でもそのせいで、もう一度、初見の様な新鮮な気持ちで読むことができた。 残りのページ数が少なくなるのを左手で感じ、読み終える事への寂しさが募る。でも、読み終えた際には、清々しく、満たされた気分になる。 きっと僕は、今後何か辛い事があった時に、度々この作品を手に取ることになるのだろう。
  • 2026年8月9日
    新編 銀河鉄道の夜
    恥ずかしながら、『銀河鉄道の夜』を読むのは、記憶にある限り、初めてだ。 『よだかの星』や『セロ弾きのゴーシュ』は幼い頃に何らかの機会で触れているはずだけど、それもやっぱり憶えてない。 古本屋で本を物色していた際に目にとまり、丁度良い機会だと、読む事にした。 結論から言うと、僕は、童話というか、ファンタジーな作品はあまり得意でないのかもしれない。 恐らく、作品の内側から見る様に没頭することができず、「本を読んでいる」という外からの意識が消せないのだと思う。 一方で、『ビジテリアン大祭』はそうした感覚はなく、楽しめた。 でも、そうした気づきも、大人になり客観的に自己分析できようになった今だから気づけたのかもしれない。 そして、10年、20年後に読み返したら、また違う気づきを得られるかもしれない。 また手に取る日が来るまで、本棚で待機してもらおう。
  • 2026年7月16日
    ハンチバック
    ハンチバック
    職場の休憩室で読み始めたものの、冒頭から数ページに渡るポルノグラフィーな描写に、人目が気になり、閉じてしまいたい衝動に駆られる。 でも、読み進めていくと、鍋の中でどろどろしたものがグツグツと静かに煮えているような、その一方で、鍋底では焦げてこびりついている様な、そんな熱量を感じ、一気に読み進めてしまった。
  • 2026年7月12日
    キッチン
    キッチン
    とても、居心地の良い作品だった。 劇的な感動とか、人生を考えさせられるとか、そんな仰々しさや押し付けがましい話は全くなく、この読書をしている時間や空間丸ごとがとても居心地良く感じた。 辛い事はある。 でも、それが延々と続くわけではない。また辛い事があるかも知れないけど、それだけじゃない。 そんな、柔らかい希望を感じさせてくれる。 一変してポジティブに生きられるような変化は生じないけれど、少し立ち止まり、冷静になって、この気持ちを思い出せる様にできたらいいな。
  • 2026年7月2日
    檸檬(れもん)
    檸檬(れもん)
    これまで意識していなかったありふれた光景の描写が、視点を変えることでこんなにも違った魅力を放つのかと気付かされる。 特に『交尾』の中の一文「この地球にはじめて声を持つ生物が産まれたのは石炭紀の両棲類だということである。だからこれがこの地球に響いた最初の生の合唱だと思うといくらか壮烈な気がしないでもない。」には、目から鱗が落ちた。 また、『ある崖上の感情』の中で語られる、外から見る窓の中の描写が、パノラマに広がる風景からその一部を四角いフレームに切り出す写真の楽しみと同様に、四角い窓枠で切り取り並べているかの様で、心を打たれた。 一方で、『愛撫』の中で描かれる猫に対する扱いは、100年近く経った現代と何ら変わることがなく、猫の肉球を瞼に押し当てる描写には、思わずくすりと笑みが溢れてしまった。
  • 2026年6月1日
    こころ
    こころ
    中学生か高校生だったかの国語の教科書に夏目漱石の作品があり、当時の僕は古い文体に苦手意識を持ち、それ以来、その苦手意識だけを記憶したまま漱石の作品を敬遠していた。 最近になってその事に気づき、改めてこの『こころ』を手に取ってみたら、何のことはない、するすると読めるし、続きが気になり、夢中で読み終えてしまった。 子供の頃に苦手だった野菜が、大人になってから食べたら好物になった、そんな感じ。 終盤にかけての先生の考えに強い共感を覚え、時代は違えど今と通ずるものがあるのだと、人の心の普遍性に安心感の様な感慨を覚えた。
  • 2026年5月3日
    影裏
    影裏
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