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  • 2026年7月2日
    檸檬(れもん)
    檸檬(れもん)
    これまで意識していなかったありふれた光景の描写が、視点を変えることでこんなにも違った魅力を放つのかと気付かされる。 特に『交尾』の中の一文「この地球にはじめて声を持つ生物が産まれたのは石炭紀の両棲類だということである。だからこれがこの地球に響いた最初の生の合唱だと思うといくらか壮烈な気がしないでもない。」には、目から鱗が落ちた。 また、『ある崖上の感情』の中で語られる、外から見る窓の中の描写が、パノラマに広がる風景からその一部を四角いフレームに切り出す写真の楽しみと同様に、四角い窓枠で切り取り並べているかの様で、心を打たれた。 一方で、『愛撫』の中で描かれる猫に対する扱いは、100年近く経った現代と何ら変わることがなく、猫の肉球を瞼に押し当てる描写には、思わずくすりと笑みが溢れてしまった。
  • 2026年6月1日
    こころ
    こころ
    中学生か高校生だったかの国語の教科書に夏目漱石の作品があり、当時の僕は古い文体に苦手意識を持ち、それ以来、その苦手意識だけを記憶したまま漱石の作品を敬遠していた。 最近になってその事に気づき、改めてこの『こころ』を手に取ってみたら、何のことはない、するすると読めるし、続きが気になり、夢中で読み終えてしまった。 子供の頃に苦手だった野菜が、大人になってから食べたら好物になった、そんな感じ。 終盤にかけての先生の考えに強い共感を覚え、時代は違えど今と通ずるものがあるのだと、人の心の普遍性に安心感の様な感慨を覚えた。
  • 2026年5月3日
    影裏
    影裏
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