
まめご
@mmg_86
2026年7月3日
パッキパキ北京
綿矢りさ
読み終わった
ここまでハイテンションなものを読んだのは久しぶり。
ワールドカップで睡眠不足のぼんやりした頭には、これくらいアッパーな感じがかえって読みやすかった。
初めは時々文章のリズムと私の読むリズムがずれるような感覚があり、そこが気になって今一つ集中しきれなかったけれど、これは単に好みの問題だと思う。
それも中盤、北京生活のドキュメンタリーのようなパートで一気に引き込まれた。
食べ物(中国各地の辛い麺料理がものすごく美味しそう)、飲み物、ファッション、街の様子、人々の様子、その暮らしの様子。
主人公・菖蒲のそれらを捉える洞察力は高く、それはたぶん綿矢りさ本人の洞察力であり、ここは小説というより紀行文を読んでいるようだった。
菖蒲という人は一見揺るぎない信念と生き方を貫いているようで、その実人の話を真っ直ぐに受け止め、そこから考え方を変えていく柔軟性もちゃんと持ち合わせている。
それがよく分かる怒涛の終盤、気づくと物語は力強く着地していて、菖蒲のその後の人生を予感しつつ爽快感でいっぱいになった。
余談だけれど、ワールドカップでピッチ外のスポンサー広告に出てくる「蒙牛」が牛乳や乳製品の会社であることを、この作品で初めて知った。タイムリー!
これからあの広告を見るたびにこの小説を思い出すんだろうな。




