
橘海月
@amaretto319
2026年7月4日
カレーの時間
寺地はるな
読み終わった
昭和生まれの頑固な祖父と、突如暮らすことになった桐矢。デカい声ですぐ怒鳴り「これだから女は」が口癖な祖父は、食品会社でレトルトカレーの営業をしていた。価値観の違いにやり切れなさを感じながら、それでも日々は過ぎてゆく。夏野菜の素揚げなど美味しそうなカレーと同様に、人間関係は複雑だ。
物語は若い頃の祖父の視点と、現代の桐矢とを行ったり来たりする。戦後孤児となり遠い親戚をたらい回しにされた祖父は、見合い結婚をし三人の娘に恵まれるも、家族を大切にするやり方を知らず妻は出て行く…。
苦手な祖父の価値観には馴染めず、それでも嫌いきれない桐矢のもどかしさに共感する。いいだけの人もいなければ、悪いだけの人もいないのだ。



