
たかせ
@takasen
2026年7月1日
読み終わった
ReadsのTLで見かけて借りてきた本。
とても読みやすくて、面白かった!
1990年代の日本社会が安定した豊かさを手に入れ「実存」に目を向け始めた「心の時代」だった、という観点にいろいろ納得した。カウンセリングがどういうことをするかという説明読みながら「これって昔の小説作品でけっこう似たようなことが書かれていたよなぁ」と感じてたのだけど、あの頃ってそういう時代だったんだな
私が思春期に触れて「これが小説なんだ!」と胸打たれた、個人の内面に深く踏み込んで、人と関わりながらしがらみを解きほぐし「どう生きるか」を見つけていくような作品が、そういう時代背景から生まれていたという目線が今までなかったので、純粋に驚いた。な、なるほどー…
2000年代以降はそうした豊かさが失われ、人々の前には実存の問題以前に生存が緊急性の高い問題としてあり、そういう社会では「実存」「文学」の重要性は失われる、と。確かに体感として2010年あたりから特に社会から「個人の物語」が求められなくなっている感覚はすごいある。
「個人の小さな文学性が見失われるとき、社会では巨大で暴力的な物語が猛威を振るうことになります。世界のあらゆるところで、大きな政治的物語に人々が熱狂している時代にとりわけそう思わざるをえない。人間は物語の不在に耐えられない。そのとき、『個人』という小さな文学は踏みにじられやすくなる。」(p.421-422)
「だけど、(略)一人ひとりの心は決して文学を手放さないし、遠くには聞こえないような小さな声で物語を語り続けることをやめません。」(p.420)
カウンセリングの本読んだんだけど、文学の、物語の話でもあったな
