
蒼白
@Cisal224
1900年1月1日

神の悪手
芦沢央
読み終わった
心に残る一節
読書日記
最近AIが私の問いに全く長考しなくなった。全世界、全人類の情報を飲み込んだそれは、私の問いなどコンマ数秒で判断し解決してくれる。もはや凡人が考えつくことには、"答え"が一瞬で提示される。
『指すべき手は、わかっている。ただ頭と身体は別物なのだ。頭で決断はできても、戻れない道を進むことへの怯えは如実に身体の自由を奪う。
一手を指すまでの時間、棋士はただひたすら手を読み続けているわけではない。長考のほとんどは、結果を一身に背負う覚悟を決めるための時間なのだ。』
AIの思考の流れを見ていると、その思考方法が人間と変わらないのじゃないかと思っていた。だがこの一節は、それが間違いだったのだと気付かせてくれる。どんなに多くの手が読め天才と呼ばれるプロ棋士でも、最後の最後は人間なのだ。
そもそも私の問いは一瞬で答えが出るものだったろうか?そして"正解"などあるんだろうか?
思考の中で恐怖や葛藤、痛みがあるからこそ答えが出せない時もある。そして"間違い"を選ぶこともある。
"答え"が出てなくても一歩前に進む。"正解"じゃなくてもそれを受け入れる。それが人間であり続けるために必要なことなのかもと、今日も長考し続けている。