
ジクロロ
@jirowcrew
2026年7月5日
コンヴィヴィアリティのための道具
イヴァン・イリイチ,
Ivan Illich,
渡辺京二,
渡辺梨佐
読んでる
全住民が自分を維持するのに必要とされる以上の力を生みだすほど能率がよくなるやいなや、人々がこのエネルギーに対する統権を奪われる可能性が生じた。彼らは自分たちの力を他人の決定にゆだねるように強制される可能性があった。租を課されるか、それとも奴隷にされる可能性があった。
……
イデオロギー・経済構造・生活様式は、こういうふうに余剰のエネルギーを少数者の管理に集中するのに、有利に働きがちであつた。
(p.74)
スペースX社が100万基の大規模衛星コンステレーション構想を発表している。
ロシア・ウクライナ戦争を動かしているのは同社の「スターリンク」サービス。
次世代の「スターシップ」は宇宙発電と地球への送電、つまりエネルギー供給が計画されている。
それが実現化してしまえば、「省エネ」や「再生可能エネルギー」という言葉の意味合いや重みが無効化してくるのではないか、とイリイチの警告から考えさせられる。
「スターシップ」と「スターリンク」
大航海時代で言えば「ガレオン船」と「教区網(カトリック教会の布教網)」。
帝国主義時代で言えば「蒸気船」と「海底通信網・鉄道網」。
物資と情報の供給網は地表を離れ、自ら「星」と名乗る時代へ。
「ニュートラル」を達成するための努力が無効化されてしまえば、依存と隷属が加速化する。
依存と隷属の単位が「国家」レベルに及ぶと、個人個人では全くもって身動きが取れなくなる(個人個人のもつエネルギーすら収奪されてしまう)。
宇宙に対する「封建制」の適用、100万基の人工衛星が飛び交えば、「ニュートラル」の象徴のひとつでもある「夜空」をも奪われることになる。
「エネルギー供給」を免罪符とし、一個人・一企業が「ニュートラル」を侵犯ーー無効化しようとしているとも言える。
(地球環境に対するニュートラルを達成する代償として、インフラを掌握しつつあるプラットフォーム企業に対する非ニュートラル(服従)を受け入れなければならなくなる)
『テクノ封建制』(ヤニス・バルファキス)よりもスケールの大きな支配が、迫ってきているのでは。
読んでいて、他人事ではいられなくなる。