読書日和 "光雨往来" 2026年7月5日

光雨往来
光雨往来
池澤春菜
台湾をこよなく愛する著者が描く、日本と台湾を舞台にした物語。 舞台は台北。5つの短編からなり、最初と最後の物語がゆるやかにつながっている。どの話にも、おいしそうな食べ物やお店が登場するのも楽しい。 日常の息苦しさから逃れるように台湾へやってきた旅行者、横町の小さな神様、短期留学生、書けなくなった作家。登場人物はそれぞれ違うけれど、どの物語にも著者のあたたかな眼差しが感じられた。 読み始めは、きらきらした台湾の街並みやグルメに「また台湾へ行きたい!」という気持ちになる。でも物語が進むにつれ、日本と台湾が歩んできた歴史にも自然と目が向いていく。 雨の日だけ過去へとつながる道が開かれるような描写も印象的だった。タイトルの『光雨往来』の「光」と「雨」が、現在と過去、明るさと切なさを行き来する物語そのもののように感じた。 次に台湾へ行ったら、科技大学の学生食堂に行ってみたい。国家音楽庁の裏手にあるフローズンヨーグルトのお店も気になる。 そして、この本を読んで一番思ったのは、ゆっくりお茶を飲みたいということ。 台湾へ行くたびに茶葉は買ってくるものの、最近は手軽なリプトンのティーバッグばかり。先月の旅行で老舗のお茶屋さんの茶葉を買ってきたので、仕事の合間に慌ただしく淹れるのではなく、お茶そのものと向き合う時間を作ろうと思う。
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