読書日和 "踊りつかれて" 2026年7月5日

踊りつかれて
踊りつかれて
塩田武士
内容はよく知らないまま、「売れているらしい」という理由で図書館予約。やーっと順番が回ってきた!待っている間に『罪の声』を読んで、塩田さんの作品をもっと読みたくなっていたので、期待も高まっていた。 物語は、ある男がブログに書いた「宣戦布告」から始まる。 SNSでの誹謗中傷によって命を絶った令和のお笑い芸人と、バブル期の週刊誌報道によって表舞台から姿を消した歌姫。二人を追い詰めた人々を「重罪認定」し、個人情報を暴いていく。男はなぜ、この戦いを始めたのか。 実はこの本を読む直前、SNSで誹謗中傷の応酬を目の当たりにしていた。 削除された投稿のスクリーンショットを晒し、「訴える」「開示請求する」と応酬が続き、フォロワーまで巻き込んで対立が広がっていく。見ているだけで疲れてしまい、私は何も反応せず、そっとフォローを外した。 匿名だからなのか、「正しさ」を掲げて相手を徹底的に叩く世界。その光景があまりにもこの小説と重なって、読んでいて何度も考えさせられた。 「正しさ」を盾に他者を断罪する快感は、一度手にしてしまうと、なかなか手放せないのかもしれない。そう思うと怖くなった。 それでも、主人公の奏と瀬尾のまっすぐな心が、重く暗い物語の中に一筋の光であり救い。 私たちは、いつの間にかSNSに踊らされているのかもしれない、はぁ。
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