
mikechatoran
@mikechatoran
2026年7月5日

シビラの書
カルロ・ヴェッチェ,
日高健一郎
読み終わった
海外文学
1892年にマインツで古い手製本の装丁から見つかった断片。その後の研究で1450年代の初め(大英図書館の研究では1452,53年ごろ)、書体からグーテンベルグの工房で印刷された四つ折り本の一部という説が有力になっている。四十二行聖書が印刷されたのが1455年頃、それ以前になぜ神聖ローマ帝国の運命を予言する中世の詩を印刷したのか。著者の歴史家ヴェッチェは詳しくは知られていないグーテンベルグの愛の物語を想定した。大河小説のような物語であるだけでなく、写本と印刷黎明期を背景に「書物・本」とは何か、「書く」とは人間にとってどのようなことかなども考えさせられて興味深い。ただ、特に異端審問官の造形がかなりステレオタイプなことは残念だった。



