本屋lighthouse "プシコナウティカ" 2026年7月6日

プシコナウティカ
昨夜アニメ『天幕のジャードゥーガル』を観ていたら、シタラがムハンマドから「恐怖を覚えるのは知らない/わからないからで、何事にも動じずにいられるようになるには勉強が必要」というような話をされていた。それは正しい、しかし、 私たちは、ある時、ある場所で、ある人々と出会いインタラクションする。私たちは「イタリア人」や「精神障害者」とではなく、具体的な「ある」人と出会うのである。(p.13) とあるように、知識を得たことによって容易になる「一般化」には危険性もあり、それを避けることが肝要でもある。知識を得て型を見つけること、型の存在を知りつつその制約を取っ払うこと。その矛盾する営みの繰り返しが、不可能を可能にするための方法のひとつなのだろう。
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私が思うに、人類学とは素人の学問である。より正確に言えば、「素人のプロになる」というのがその方法である。あるところで当り前のように行なわれていることに対して、素人はいちいち驚き、「どうしてこんなふうにするのだろう」という問いを発する。ところが、そのことに関してだんだん詳しくなってくると、最初の驚きは薄れていき、いつの間にか自分にとっても当り前になる。下手をすると、「専門家」にすらなってしまう。どうしてもそうなってしまうのだが、それに抵抗し、最初の素人としての驚きを大切にし、最初の問いを手放さないでその問いを鍛え上げていくこと、つまり素人であり続けることのプロになること、それが「素人のプロになる」人類学の方法ではないだろうか。(p.28-29)
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