
ハルコ
@inu865
2026年7月6日

ファイティング・チャンス
ルイーザ・リード
読み終わった
学校でひどいいじめにあっているリリー。理由は「太っている」から。彼女の母親もまた、過度の肥満で家から出られずにいる。そんな彼女が父親のすすめでボクシングを始めて……。
詩で物語を紡いでいく、ヴァース・ノベルという、新しい文章形態だそうです。とはいえ翻訳にあたっては物語がわかりやすいよう、許可を得た上で手を加えたようですが。
それでも散文的な文章は、感情にダイレクトに訴えかけ、読者の想像を掻き立てる。YA向けの小説で浸透しているスタイルというのも頷けます。
リリーに対する暴力の描写が痛々しい。やり返して痛みを味わせるために拳を磨いていく様子も丁寧に描かれていく。トレーニングを進めていくうえで、きっとだいぶ痩せたと思うのだけど、そこは描写されない。リリーが自分を認めてないから。
最後、ロージーとの心と体を通わせ、拳を突き合わせて、ようやく自分のことを見られるようになってよかった。
母親も……もともと素直な人なんだろうな。子どもに好かれる人だしね。
肥満に対する視線って、きっと欧米のほうがずっと辛辣なのかな。(肥満のレベルも違うけど)リリーの努力に背中を押されるかたちで一歩踏み出せたのも、また母子でお散歩にでられるようになったのも嬉しかった。
