
502
@502
2026年7月6日
死にがいを求めて生きているの
朝井リョウ
読み終わった
著者のどの作品もそうだけど、生きるのが下手というかコンプレックスを抱えてたり周りのように生きられない人間の描写が上手くて相変わらずそっち側にいる読者の傷を抉ってくれるなぁと思った。
本編の後にある特別付録に綴られた、「本作で見つめた地獄というのは、他者や世間の平均値からの差異でしか自分の輪郭を感知できない人間の弱さです。外からの順位づけや評価をされる機会が全くなくなると自分で自分の意義や価値を見出していかなければならない。」という言葉が1番怖かった。中高のテストはよくても、他者貢献や自己実現もできないまま社会に出て生活を営むことを強いられている今の状況でこの言葉は心臓を刺されるくらい痛い。
あらゆる競争や対立が排除された平成で育ったが、確かに競争や対立がない場面に多々救われてきた場面もあったけど雄介みたいにテストの上位者が発表されるおかげで順位づけがモチベーションになってたことを思い出した。
雄介は側から見たら何やってんだこいつ…と思わざるを得ないけど、重なる部分も無いわけではないので苦しくなる。個人的に智也と友里子が好き。与志樹や弓削はTHE・朝井リョウ作品のキャラだなぁという印象。
プロジェクト参加の作品なので海山伝説ありきの内容なのはわかるが正直こじつけ感が否めなかった。今作も面白かったです。
