だむ "宮台式人類学" 2026年7月6日

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2026年7月6日
宮台式人類学
宮台式人類学
奥野克巳,
宮台真司
宮台真司のボリュームある新書をよう やく読了。 古代から現代、トランピズムのアメリ カから日本社会まで、マルクス、ウェ ーバー、デュルケム、レイン、吉本、 イリイチ(本書ではイリッチ)、ロー ティ、カストロ、ティール等膨大な 知の系譜(最後の二人は名前すら知らず ・・ティールってヤバイやっちゃ!)を 辿りながら現代の社会と社会学の現在に 鋭く切り込んでいる。 結局思い知らされたのは学生時代いかに 本が読めていなかったか(今もだけど) ということで、この人とこの人は近い んだとか、○○をもたらしたのは実は ××だ、とか改めて目を開かれる思い。 氏の講義を聞くことのできた人が心底 羨ましい。 本書の構成は時代順ではないが、議論の ベーシックなところを乱暴にまとめると 1.狩猟採集段階は「生存戦略と仲間意識 」 2.農耕の発達後「定住革命」:掟から法 3.分業の発展、原生自然の間接化、不 可視化。言外的兆候への反応力の縮小、 言語的予期能力の発達 4.賃労働化による脱共同体化 5.資本主義的市場化:人が資本の奴隷に、 行政官僚制化:手続き主義の置換可能な 道具化 6.疎外化、神経症化 7.賃労働化による階層分化による尊厳の 棄損、「内から沸く力」の喪失、想像 能力と懸念能力の欠落、人間関係の 空洞化 議論の根底にあるのは「「近代」という 特殊に抗い人類史的な普遍を回復する」 という強い意識だ。 正確なところは是非自ら本書を紐解いて 確かめていただきたい。 ついでに勝手な繰り言。 宮台氏は子供を「奪還」する試みとして 野外活動等の実践にもかかわっている とのことだが、もしそこになければ是非 「演劇」を加えてほしい。 感覚をひらく。目の前の人と向き合う。 横にいる仲間と達成する・・ この国には竹内敏晴という稀有な実践 があるのにそれが顧みられることがない のを常々残念に思っている。 このこととも響きあうのだが、最後に、 宮台氏は本書の中で自分のことを 「転校が多過ぎて自分も他者もよく 分からなくなった」とさり気なく述べて いる。ここは重要だ。 自分がストレンジャーであるという体験 やストレンジャーになっているのでは ないか、という意識を持ったことのない 人が社会の根源に遡り批判的に向き合う ことなどできはしないのだから。
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