
しおり
@Kaffee5888
2025年3月27日

月とアマリリス
町田そのこ
読み終わった
暗闇に浮かぶ小さくてぼんやり浮かぶ光、のような小説だと思う。
この小説を読むにあたって、色々なことを考えさせられた。愛情、環境、少しでも条件が変わっていたら「自分」という存在は今ないかもしれない、と思うと少し怖い気がする。
最後の一文が本当に秀逸だと思う。
それを読んで、町田そのこさんの作品はどうしてこんなにも優しくて柔らかく寄り添ってくれるのだろうといつも思う。この作品は決して幸せではない、と思う。幸せだと思い込む、幸せだと言い聞かせる、そんなのは幸せじゃない、なんて否定するのも違うような気がするし…と唸ってしまう。現実のニュースを見ていると、こういう事件はおそらく普通に世の中にあるのだろう、と思う。自分とは関係がない、と言い切ってしまってもいいのだろうか、とも。
自分に恥じないように、それこそ人生の最期の瞬間に誰かに祝福の拍手を贈ってもらえるような人生にするにはどうすればいいのだろうか。少しずつ、探していこうと思う。がんばろう。






