にこまこす "チ。-地球の運動についてー(..." 2026年7月7日

チ。-地球の運動についてー(6)
再読!チ。全体のネタバレを含みます。 気づきや感想。 信仰の歪み、聖職者への批判から始まってシリアス。 豪華絢爛な装飾、十字架(ぐうぞう)、このへんはカトリックへの問題定義でもあるのかな? ここだけだと、異端解放戦線の思想に一直線にはならない気がする。描かれてない葛藤を想像すると胸が痛い。それでも神を信じてるところも興味深い。あくまでも敵は権威かな。 「勘違い」で死んできた歴史… 爆薬が生まれる悲劇… シュミット隊長の「ドガン!」にせよ、バデーニさんの壁パンチの「ドガ!」にせよ、オノマトペおもしろい。 異端解放の彼らは地動説をどう捉えていたんだろう?情報の解放のためという合理的な理由はわかるけど、地動説への気持ちはあまり語られないような。 聖書を持って「信じない」といいたまえ、ここでも言葉を重んじられる。 理念について、異端解放戦線はC教に文句はないが私(シュミット)は違うと語られる。 回収した本について「大地が動く」と確かに書いてある、「オクジーやバデーニという名は?」というやりとり…25年越しに彼らの積み上げた歴史が動き始めることに魂が震える。地動説はまだ終わってなかった。 目的の廃村、ここはもしかしたら過去に誰かが住んだところ? フライ君が地に目を通す。おそらく残したのはクラボフスキさん、回収したのは正統派、この本に新鮮な形で向き合い読み始める初めて人間は実はフライ君なのね。 シュミット隊長、戦闘力高すぎる。 朝日を後ろ目に見るドゥラカちゃん。 今まで語られてきたのはアリストテレスやソクラテス、思想的に垣間見えるのはニーチェ、コペルニクス、ケプラーなど、あくまでも小出しだったが、ドゥラカちゃんの登場で一気にマルクスてきな話になる。時代が進んでることが私たちに伝わる。 教会が知を独占したことへのアンチテーゼとしての、利益の独占ともとれて、物語がおもしろくなる。 ドゥラカちゃんは頭のキレに加えて伝える力があり、1.2章には出てこなかったタイプの逸材だよね。しかし「死ぬ不安は拭えない」と金に貪欲になる、ラファウ君、オクジー君、バデーニさんに比べ、死を強く恐れる、もっとも等身大に近い主人公とも言えそう。 神を重んじてきた1.2章に対して共同体を重んじる移動民族の話を組み込んだのは、知的で斬新な演出かも。 弱者を救済する仕組みがない、倫理を失った自由は混沌、、達観した現代へのメッセージ。 「もしかしたら私は一生…このままで終わる運命なんじゃないか」特別になりたいという意思と大胆さはバデーニさんを思い出させる。 夜空を見れなかったオクジー君と対比させられる、朝日を見れないドゥラカちゃん。オクジー君は朝を、ドゥラカちゃんは夜を、どう思っていたんだろう? 「神が存在する証拠はない」ニーチェがいった「神は死んだ」を思わせる、思想における革命的な場面を組み込んでる気がする。 「神に気を遣わなくていい」という言葉選びも良い。ドゥラカちゃんの支えになっただろう。 「むしろ神に奪わせるな」天国ではなくこの世を重視したこれまでの登場人物たちを思い出させる。 考えるために文字を学べ、その過程に知性が宿る。叔父さんは文字が奇跡に値することをどこで知っていたんだ。 そしてドゥラカちゃんに信念を与えた。 この後の叔父の行為は悉く酷いが、なぜか嫌いにならないのはドゥラカちゃんに信念を与えたことと、彼もまた二面性を持った等身大の人物だからだろう。 その家に入る前、ドゥラカちゃんは血を見る。叔父さんの話で「知」を得て、「血」を見て、そしてこれから「地」を目撃する。そんな演出から物語のクライマックスが垣間見える。 本を開いて3章が始まる。ラファウ君やバデーニさんが紙にペンを走らせた時のように、物語の転換はいつも机上の発想から生まれてきた。 天と地の階層は存在せず…すべては一つの秩序の中に…人々は底辺にはりつけられた生活から解放される…この大地の運動「地動説」によって…(最後はこの大地を創った神への崇拝で終わる) 習ったばかりの文字でここまで書けるオクジー君ハイスペすぎる。ラファウ君とバデーニさんはラテン語を使ってたみたいだけど、オクジー君はどんな執筆をしたんだろう? 刺激的な本の内容、教会の権威が揺らぐ時代、あとは生産技術。 利益の一割のポトツキに…受け継がれ続ける一文。 「文明を授けた」という正統派にたいし、聖書の引用で反論するドゥラカちゃん、頭脳明晰でやはりつよい。 金が欲しかったら重要なのは生産。マルクス齧ったあとなのでこの辺ほんとおもしろい。 アントニ司教、このときドゥラカちゃんの賢さを買ったわけだが、他にどんな企てがあったのかな? 解放戦線の武力行使、いつ見てもやりすぎに見える現代人。 オクジー君の本これで燃やされるの2回目だね… シュミット隊長絶対に部下を責めないし責任を取る覚悟が常にあって上司としてはかなり良さそう。ドゥラカちゃんの信念などを素直に受け入れて対話するのも良い。 神を信じてない相手にめっちゃ思考するのも、悪い人じゃないんだなと思わせられる。 自然主義のシュミット隊長と、資本主義を捉えるドゥラカちゃんの神と知性に関する話。正反対。朝日を見て泣く女と朝日から神を感じる男。全てがコインの伏線だ。すごい演出。 シュミット隊長を通してドゥラカちゃん活版印刷に出会う。絶対を揺らがせる。情報を解放させる。知の解放を試みた組織長と、解放戦線と、それで稼ぎたい少女… 初めて25年後の物語、第6巻を読んだ時、最終頁に出てくるヨレンタさんを見て鳥肌が立ったことを今でも鮮明に思い出す。 彼女がずっと闘ってくれていたのかと。 ヨレンタさん、シュミット隊長に対しどんな風に話していたんだろう。オクジーとバデーニという人が地動説を愛したということをどこまで、どんな風に、どんなところで、なぜ彼に、伝えたんだろう?
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