珈柊 "一次元の挿し木" 2026年7月8日

珈柊
@Kahfy
2026年7月8日
一次元の挿し木
一次元の挿し木
松下龍之介
電車と会社の昼休みに読み切れる軽量感で、それでいて満足度が高く面白かった。 ミステリの定義はよく知らないものの、どちらかというとSFでは? (「このミス」にこの作品が応募されたのは締め切りが作品完成日と近かったから、というふうに解説に書かれていたこともあったので、当初から特にミステリとは考えられていなかったのか) ただ、紫陽の「紫陽花と同じ」発言や、タイトル回収は、SFと思いながら読んでいたらもっと早く気がついてしまって、ネタバラシのところを楽しめなかった気がするからかえってよかったのかもしれない。 ーーーーーー ただ、結末の部分は紫陽と悠の日常的な部分をもう少し描いて欲しかったかもしれない…… 紫陽の正体判明してからはラストバトルからの突然の疾走で、紫陽の姿が変わっても相変わらず愛せていたのかが十分にかかれていなかった(見た目なんて気にしないのに、的なことを言ってはいるものの、ずっと探し続けてた人を見つけたらそりゃしばらくはその感想になるのでは?)し、その後すぐ失踪してしまったことには納得、唯とのなんかいい雰囲気の生活が始まる(ロマンティックな理由での同棲ではないっていってるけど、その前に唯さん赤面してるしねぇ……)ので、結局悠も年相応の男の子じゃん! という感想に…… 非日常空間ではなくて、穏やかな日々を過ごすなかで、記憶の中にある美しい紫陽と、目の前にいる紫陽の違いに向き合い、理性では本来抱くべきではない残酷な感想に苦しむ日々をどう乗り越えていくのか……そういうのを少し期待してしまった。 美しさと知性を失うことを理解したうえで、それに向き合った紫陽の目線が描かれただけに、悠がどういう乗り越え方をするのかが気になってしまったなぁ〜 まぁ、これくらい長い感想をかけるくらいに楽しめたので大満足です。
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