
もちこ
@mochiko24724
2026年7月8日

熟柿 (角川書店単行本)
佐藤正午
読み終わった
27歳の時に轢き逃げ事故を起こしてしまった女性(妊婦)が、刑務所の中で子どもを産み、出所して44歳になるまでの人生を追った長編小説。
一度も息子の顔を見ることができず、それでも会いたいという想いを抱えながら、ひとりで生きてきた彼女の人生は、孤独である。
息子に会うために、時に衝動的に行動してしまう。
その度に自分の行動や判断が間違っていたと後悔し、また孤独の生活に戻る。
事件を起こしたと思ったら、一気に年月が飛び、事件から時間が経った頃の日常生活が描かれる、というスピード感に振り回されてしまった。
その間に何があったのか、早く説明して〜!と急いで読み進めたくなってしまう。
片時も目が離せず、気づけば彼女の人生の伴走をしている。
淡々と進むのに、時に思わぬ方向からの「誤算」が起こり、彼女と共に戸惑いの中に放り投げられる。
何とも不思議な読み心地の本だった。




