
kay
@hanauri
2026年7月8日
多様性とどう向き合うか
岩渕功一
読み終わった
読みやすかった。普段感想を書くとき副題は省きがちなのだが、「違和感から考える」というこの副題が本書の肝である。あらためて、多様性とは何か?多様性は本当にいいものなのか?多様性は逆差別ではないのか?etcの疑問を取り上げながら、多様性と差異、そして差別や不平等をひろく見ていく。本書のみでは具体性に欠けるところはあるものの、ここは傍線を引いておきたいと思う箇所も多く、何より、「多様性」という言葉が封じ込めてしまうもの、「多様性」という語りが実相を遠ざけてしまうことがあるという部分にはハッとするところがあった。
「多様な人材が生産性につながる」企業等におけるその多様性の奨励は正しいのか、自らの持つ特権性にいつまで無自覚でいるのか、差別的な自分に気づいていないのではないか、読みながら色々と考えた。現実的な連帯の困難さに言及されているのもよかった。「同調したり一本化することを目指すのではなく、相容れなさを認め合う」「つながれなさを通じてつながる」いい言葉だ。私たちは何かにつけ、じゃあ多様性を成し遂げるにはどうしたらいいのかとすぐに答えを求めてしまうけれど、悩み、間違え、やり直し、1歩進んで5歩下がるみたいなことを繰り返しながら、多様な差異を語り合いながら、共同できる社会を作り上げていくしかないのだと思う。


