
kay
@hanauri
大体月1冊、感想はBlueskyからの転載
- 2026年2月14日
検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?小野寺拓也,田野大輔読み終わった2時間ほどで読了。巷で言われる「ナチスだって良いことをした」事例を事実、解釈、意見によって反証していく。ナチスが発明したと誤解されているものは大体以前から存在しており、彼らがしたことといえばそれを大袈裟に拡大したこと(そしてほぼ失敗したこと)だけ。読みやすいしわかりやすいが、ナチスだって良いことをしたのだ!と思い込む人はこのブックレットすら読み切らないだろうと思いつつ読んでしまったが、本書の狙いはそういったどうしようもない一部への反証と啓蒙が主というより、ナチスを正しいと認識しない社会一般の免疫力強化が目的である。 本書を通して、現代日本の(というか自民党やその他極右政党の)政治傾向と似ている動きが多い印象を覚えたが、国民は自分の持ちたいイメージを政治家に投影して彼らの主張を(それが意識的であれ無意識的であれ)都合よく解釈するし、それはいままさに進行形で私たちにも襲いかかっていることだろう。つまり、p99「自分の政治的立場に都合の良い「ナチス」を引っ張ってくるだけという、極端な「現在主義」が横行している」は、ナチスの解釈に限ったことではないように思う。 一見国民に得のありそうな政策により国民の生活をよくしたいというより国民のメンタリティに影響を与えたい(コントロールしたい)というナチスのありようもまた、私たちの前に立ち現れているわけで、私たちは私たちにあまりにも聞こえのよい言説にやはり慎重であるべきだし、あらゆる観点からよく考え、見極めることが必要だ。あと、大体政治の成果や悪影響というものはやはり時差がありすぐにわかるものではないのだと思った(ナチス時代に好転したものは前政権の成果)。 話はずれるけど、ナチス以前に勃興していたドイツ・ナショナリズムと「森」、テーマとしてすごく面白そう。 - 2026年2月11日
戦争の美術史宮下規久朗読み終わった西洋と日本の広範な戦争美術を取り上げ、善悪ではなく美術史上の価値、意義についてまとめている本。日本の戦争美術をほとんど観たことがないので(西洋も主流ではない絵画は初めて観たものばかりだったが…)、図版の濃密さに時々具合を悪くしながら読んだ。日本の戦争美術は西洋より全体的に茶色っぽくその泥臭い表現がそのまま死臭のようであるし、何かとデザインぽい西洋美術より歪なリアルさがあるなあと思った。
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