
読書日和
@miou-books
2026年7月9日
ようやくカナダに行きまして
光浦靖子
読み終わった
借りてきた
このシリーズの「カナダに行く前」とカレッジ生活のエッセイを先に読んでいたので、その間の時期のことが知りたくて予約。
今回も、カッコつけすぎず、弱音も失敗談も隠さず書く光浦さんらしさに励まされる。
印象に残ったのは、カナダでは「怒りを感情的にぶつけたほうが負け」という価値観。どんな理由があっても、怒りの表し方を間違えればこちらが不利になる。読んでいて「いや、それは腹が立つでしょう・・・」と思う場面も多いけれど、海外で暮らすということは、言葉だけでなく価値観の違いとも向き合うことなんだな、と改めて感じた。病院での出来事も含め、異国で生活する大変さがリアルに伝わってくる。
語学学校で出会った親友ヘレナ(29歳・コロンビア人)の言葉も心に残った。
"You are strong. You can do anything."
そして、博物館で彼女が語った言葉。
「ここにあるような、私らの先祖が作った金細工のほとんどはスペインに持ってかれたんだよ。でも何が悲しいって、私ら、この先祖の使ってた言葉を話せないし、文化も違うんだよ。」
旅先では景色や食べ物に目が向きがちだけれど、その土地の歴史や、人々が背負ってきたものに思いを巡らせることも大切なんだと、考えさせられた。ヘレナが心のよりどころにしているキリスト教もスペインが持ち込んだんだけどね。
海外で暮らすことの楽しさだけでなく、戸惑いや理不尽さ、そして人との出会いまで、飾らない言葉で綴られた一冊でした。