紫嶋 "一次元の挿し木" 2026年7月9日

紫嶋
紫嶋
@09sjm
2026年7月9日
一次元の挿し木
一次元の挿し木
松下龍之介
※ネタバレ注意※ 話題作。あらすじのインパクトと引力がとにかくすごいなと思う。これだけで「読みたい」と思わせる設定の力を感じる。 正直なところ、そのあらすじの一番の売りであるところの「何故二百年前の人骨と現代を生きる妹のDNAが一致したのか?」については、登場人物の一人の専門が遺伝子学であることや、その人物が過去に成したとある功績が語られた時点で予測できてしまった。 なのでそれ以降は、主人公を取り巻く人々の思惑や、全ての裏に隠された真相が何なのか、それを楽しむ方向にシフトしつつ最後まで読んだ。最後の最後まで、どう着地するのか好奇心が刺激される展開で面白かった。 企業と新興宗教の裏のつながり、遺伝子学という学問や科学の話題もふんだんに出てくるため、硬派なミステリ作品かなと思いきや、人物描写…とりわけメインの女子たちの書かれ方は割とライトだなぁと感じなくもない。よく言えばキャッチーで魅力的、悪く言えば男が都合よく惹かれるラノベ的なキャラクター。ちょっと非現実すぎる。 そのためか、脳内で概ね実写調でイメージできていた中で、彼女らはアニメ絵でしかイメージができず。実写ドラマのキャスティングをチラッと見た感じ、その辺はもう少し大人びた雰囲気の俳優さんたちをあてている様子で、そうなるのもわかる気はする。 文体も読みやすく、読書習慣のある人であれば、サクッと読めると思う。
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