
昼寝ねこ
@hiruneko
2026年7月10日
秘仏の扉
永井紗耶子
読書メモ
感想
明治中期、法隆寺夢殿で千年の間秘仏とされた救世観音菩薩の宝物調査に立会った岡倉天心(覚三)、フェノロサ、写真家の小川一眞、文部官僚の九鬼隆一、そして彼らを迎え入れた大僧正の千早定朝。それぞれの役割と苦悩、その後の彼らの数奇な人生に胸が痛む。特に苦難を甘んじて受け入れて法隆寺を守り抜いた千早定朝の生き方が静かで強い。今まで馴染みのなかった時代の物語だが読んで良かった。廃仏毀釈により貴重な仏教遺産が破壊されたり日本の文化遺産が大量に海外流出した時代に、それを守ろうと奮闘した人たちがいたことは記憶に残したい。





