秘仏の扉
7件の記録
昼寝ねこ@hiruneko2026年7月10日読書メモ感想明治中期、法隆寺夢殿で千年の間秘仏とされた救世観音菩薩の宝物調査に立会った岡倉天心(覚三)、フェノロサ、写真家の小川一眞、文部官僚の九鬼隆一、そして彼らを迎え入れた大僧正の千早定朝。それぞれの役割と苦悩、その後の彼らの数奇な人生に胸が痛む。特に苦難を甘んじて受け入れて法隆寺を守り抜いた千早定朝の生き方が静かで強い。今まで馴染みのなかった時代の物語だが読んで良かった。廃仏毀釈により貴重な仏教遺産が破壊されたり日本の文化遺産が大量に海外流出した時代に、それを守ろうと奮闘した人たちがいたことは記憶に残したい。





かおり@6kaorin52026年1月19日読み終わった図書館本法隆寺夢殿・救世観音像。 廃仏毀釈。 二百年以上封じられた「秘仏の扉」を開けた、五人の男たちの物語。 その厨子を開き、対峙し、葛藤し、守る。 連作短編。 小川一真、九鬼隆一、フェノロサ、定朝、岡倉覚三。そして、最後に町田久成。これは構成の妙だと思う。 「流れ込んで来る人と文物の波の中で、かき消されることのない強さとは何か。これから先の千年、遺すために何を為すべきか」。 久成の言葉が感慨深い。 私はいまその千年の中にいる。一日本人として、守るべきもの、こととは。矜持とは。 ダメ男クズ男列伝、ではあったが、なぜか憎めない男たち。岡倉覚三(天心)の妻 基子ではないが「赦したというよりも、呆れ」る、「そういう人なんです」。フェノロサも、九鬼も。 救世観音始め、人物やら事件など、ネットで検索しながら照らし合わせて読んだ。チラッと登場して岡倉に強い言葉を放った黒田清輝にスカッとした。 久しぶりに、最後まで読み終えてからまた最初のページに戻った。








