
ゆあみ
@bathing315
2026年7月10日
夏帆
村上春樹
読み終わった
この作品もまた、喪失と再生がテーマになっていると感じた。
「お話の中のミソラと同じように、私も力を尽くしてぎりぎりのところで踏みとどまらなくてはならない。何があろうと、たとえ誰ひとり私に感情移入なんてしてくれなかったとしても、決して失われてはならない。森の空き地にしゃがみ込んで、いつまでも泣いているわけにはいかないのだ。」
「ひとつ心に留めておいてもらいたいことがある。それはね、我々が人生において体験する深刻な混乱の大半は、原因と結果の間に等価性が見いだせないことによって生じるということだ」
「しかしながら私はどう考えたって英雄なんかじゃないし、またこの先英雄になろうというつもりもない。要するにそこが問題なのだ、と夏帆は思う。英雄になりたくもない人間が、というか英雄になれるはずもない人間が、ときとして厳しい試練だけを受けなくてはならないということが。」
「いいえ、夏帆さん、それはあなた自身がやらなくてはならないことなのよ。逃げてはいけない」
喪失したとしてもそれは「ぺしゃんこに潰された」程度のもので、時間をかけて膨らむことができる。それが再生のかたちだということ。

