サヤ "この夏のこともどうせ忘れる" 2026年7月10日

サヤ
サヤ
@sayaemon
2026年7月10日
この夏のこともどうせ忘れる
高校生の夏休みをテーマにした短編集 十代の瑞々しくも揺らぎやすい体と心を、読みやすい筆致で描いている タイトルの投げやりさ、ある種の諦観は、読了後に効いてくる仕掛け これは十代当事者の「どうせ」であって、若さ故の切ない捨て鉢さに溢れている でも、大人になった読者は「そんなことない」と知っている 十代の傷跡は、忘れたくても忘れられない 読者の年齢によって手触りが変わる、良いタイトルだと思った 全5編のうち、『生き残り』が一番好きだった キャラクターが魅力的 初読みの作家さんだったので、話の締め方(体言止めの多用、改行で結末をぼかす)の個性にやや戸惑った 『夏の直線』など、結末を読者に委ねる作りは嫌いではないのだけど、「語りすぎない」が「語らない」になってしまうと、折角の物語への没入感がそこでブツンと断ち切られてしまう (自分の読解力の乏しさも重々承知していますが) 終始丁寧な心情描写がされているだけに、なぜラストだけ…?と首を捻ってしまったのも正直なところ それが作者の個性なのか、それとも本書が若い読者向け故の意図的なものだったのか、他作品も読んで確かめてみたい
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