
octo
@mothmanoir
2026年7月10日
意識と本質
井筒俊彦
読み終わった
東洋哲学の根底に流れる本質観を、古今東西の思想を引きながら辿る大河的思想書。
言語によって分節された現実を抽象化して得られる普遍的本質と、「濃密な個体的実在性の決勝点としての」本質の区別を明確にし、前者に対して取られてきた三つのアプローチを説明していくという明快な構成。論の展開において重要な点は繰り返し強調されるので、初学者でも丁寧に読めば議論についていくことができる。
縦横無尽に展開される著者の滋味に富む「語り」によって、壮大な知的旅行に誘われるかのような一冊。稀代の碩学が残した東洋思想史に残る遺産。
