りら "その裁きは死" 2026年7月10日

りら
りら
@AnneLilas
2026年7月10日
その裁きは死
その裁きは死
アンソニー・ホロヴィッツ,
山田蘭
〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ2作目。 2020/21国内ミステリランキングこのミス1位文春1位早川1位本格1位。 作中の設定年は2013年の秋で、おそらく前作の事件から2年半後。 ホモフォビアを隠しもせず、つっけんどんで、けれどもいつでも冷静沈着で勘の冴え渡ったホーソーンと、自分なりに推理して突っ走っては窮地に立たされるちょっとドジなホロヴィッツとの凸凹コンビのノリにも慣れ、前作よりも楽しめた。 ホロヴィッツ、脚本家として参加したドラマ撮影のロケもうまくいかないわ、所詮YA小説の作家だからと高慢ちきな同業者(日系人!)に蔑まれるわ、事件の担当刑事に嵌められ本の万引き犯にでっち上げられて独立系書店を出禁になるわで、かなりトホホな目に遭っている。そのせいか陽気でポジティブなようで、結構自虐的なんだよね。 ホーソーンの私生活はプラモと読書会以外は相変わらず謎で、ゲイ嫌いなのは警察を辞めた件も含め過去に決定的な何かがあったかららしく、シリーズが進めば小出しで明かされていくのだろうか。 前作の映画の話は正直しんどかったけど、事件当時のホロヴィッツが作家としては主に児童小説の書き手だというので相手にうっすら見下されたりする一方で、ドラマ版GOTのような(最近の流行りでいうとロマンタジー的な)大衆小説をめためたにこき下ろしたり、ジャンル小説と高尚な文学とをきっぱり峻別する風潮などなど、イギリスの出版業界の裏話はかなり興味深かった。 ホロヴィッツが日本の俳句を子供の頃学校で習い、芭蕉の古池や〜が数少ない暗唱できる詩だとかいったエピソードも。 ホーソーンの今回の読書会の課題本は『緋色の研究』。ホロヴィッツがやっとチケット取れたのにホーソーンにブッチさせられた舞台はイプセンの『幽霊』。 オーディブル2.0→2.2倍速。
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