ぶんか遺産 "絞首台のある庭" 2026年7月10日

絞首台のある庭
絞首台のある庭
リチャード・デミング,
田口俊樹
読了。ギャングもの軽ハードボイルドと遺産絡みのお屋敷ミステリが奇妙な調和を見せているのだけれど、ここにあっと驚くネタが仕込まれているのが心憎い。全体的な伏線の仕込みも丁寧で、本格ミステリとして十分おすすめできる好編。 惜しむらくは、ギャングパートこそアクションあり人間関係ありで楽しい一方で、お屋敷パートがやや単調な点か。一部の登場人物の存在感が薄いのも気になった。とはいえ、些細な欠点だろう。 本シリーズは、ユーモラスなタフガイである主人公・ムーンが、ギャングと闘ったり捕まったりしながら情報を集め、なんと最後には関係者を集めて真相を推理するという、通俗アクションと本格ミステリのいいとこ取りのシリーズ。ハードボイルドに特段の興味がなくても楽しめる丁度良い塩梅なので、広くおすすめ。一応続編ということにはなっているけれど、前作の中編集を未読でも一切の問題はない。
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