スカイ "春にして君を離れ" 2026年7月11日

スカイ
スカイ
@skygrey
2026年7月11日
春にして君を離れ
春にして君を離れ
アガサ・クリスティ,
アガサ・クリスティー,
中村妙子
呆然としてしまう。 結局、気の迷いだったととらえたのだろうか。帰宅後の彼女はとても幸せそうで、無邪気な様だからこそ痛ましい。これからもこの家族はこのまま過ごしていくのだろう。 恩師はジョーンのこのような性質を見抜き、助言していたんだな。ロドニーの優しさがジョーンのこの性質を加速させる面があったと思う。でも、正面からぶつかるのすら面倒でぬるま湯のようにしておく方が楽だという精神状態も理解できる。 この家族はどこまで戻せばやり直せだんだろう。農場経営をすることにしていたらよかったのだろうか。 ジョーンは幸せを他者からの評価(地位名声など)で測っていた。幸せの形はみなそれぞれ違っていて押し付けるものではないし、自分が心安らかに過ごせることが幸せなのだと私は思う。でも、エピローグでの彼女は幸せそうで。気付かない幸せを選んでいるのだなぁ。それもまた彼女の幸せの形で、彼女からすればハッピーエンドだということか。 ジョーンの内面の動きの描写がすばらしく、だからこそぞっとした。自己中心的である様が手に取るように伝わってきた。 でも、このような心の動きを私だってしているかもしれない。都合のいいことを信じたくなる気持ち、心安らかな方に流されたい気持ちはどうしたってある。相手の気持ちを推しはかることを忘れないようにしたい。 audibleのナレーターがとても良かった。葛藤や逡巡が間近に迫ってくる感じ。でも、叫び声などはむしろ抑えた声で表現されていて、大好きな朗読スタイルだった。
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