
bibliophilephile
@mouton-ton
2026年7月10日

買った
読み終わった
『街道をゆく』という題名から紀行文に近い作品を想像していたが、実際は「旅」を入口に歴史や人物へ深く潜っていく作品だった。景色や土地の空気の描写が思ったより少なく、司馬遼太郎ならではの目で、その土地をもっと描いてほしかったという物足りなさもあった。同行者についても読者への説明が少なく、少し距離を感じる部分があった。
一方で、歴史上の人物や土地の背景を語り始めると、さすが司馬遼太郎だと思わせる面白さがある。奈良や近江は時代が古く人物像がつかみにくかったが、『長州路』では登場人物の個性が魅力的で、一気に引き込まれた。土地の風物を期待して読み始めたが、「歴史を旅する」読み物として楽しめた。
