犬山俊之 "沈黙 (ハヤカワ・ミステリ文..." 2026年7月11日

沈黙 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
まだ『沈黙』『哀惜』の二作品だけなのですが、久しぶりに「好きな作家」と言える小説家に出会った気がします。文体がすごく好み(日本語訳もいいですね)。 オーソドックスな推理小説なのですが、殺人事件が解決される過程で描かれるイングランド南西部の人々の生活、その細やかな機微がすばらしい。「生活する」とは「生きる」とはこういうことだなと。推理小説なのに。 章ごとに語り手が変わる手法も効いています。さっきまでは部下を冷静に評価している上司の一人称だったのが、次の章ではその上司が部下の目で見られているというような描写が物語に奥行きを与えています。 作品の舞台を実際に訪れてみるというような活動には無縁だった自分ですが、ノース・デヴォン、そしてクロウ・ポイントには行ってみたいなあと思い始めています▼
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