
乖離
@karu
2026年7月11日
かか
宇佐見りん
読み終わった
pp.71-72
そんなら小さい頃に、まだかかが優しく厳しいかかであった頃に、かみさまのまましんでほしかった。
荒井由実の「やさしさに包まれたなら」に
小さい頃は神さまがいて
不思議に夢をかなえてくれた
小さい頃は神さまがいて
毎日愛を届けてくれた
って歌詞がある。「魔女の宅急便」の映画においては、魔法のメタファーでも母のメタファーでもあるように思える温かなこの歌詞の祝と呪。同一化して離れられないままに目を凝らして見るとグロテスクな部分を生々しく書いた小説だった。
関西方言とも九州方言ともつかない「かか弁」を、最初は子どもの書いた作文のようで読みにくいと感じていたはずだった。それなのに気がつくと何ら違和感なく読み進められるようになっていて、「かか」の言葉遣いが読者である私にもまとわりついて染み込んできているようで怖かった。
そして何より、SNSの閉じた生温いコミュニティでの不幸合戦に覚えがあり過ぎて居た堪れなくなった。
当てはまらない同世代もいるだろうとは思うけど、個人的な実感として宇佐見りんはつくづく私の世代の作家だと思う。

