_midnightblue "熟柿 (角川書店単行本)" 2026年7月12日

熟柿 (角川書店単行本)
彼女はどうするべきだった? 一人称でしか語られないから、彼女の行動の真偽を確かめることはできない。衝動的で頼れる人が少なく、相談せず自己完結してしまうことが、良くない部分なのかもしれない。考えも浅く、短絡的なのかもしれない。真面目でコツコツと生活を続けられる慎ましい人とも言える。 結局、どんな人なのか、よくわからなかった。 多分自己一致していないのだろう。 でも人間なんて本当はそんな人ばかりなのかもしれない。彼女だけでなく、彼女の夫も、そうなのかもしれない。だから彼女を救う人は居なかったのかもしれない。 色んな人の意見をきくと、悩むけれど、ハッとさせられることもある。行動に移す前に考える思慮ができるのかもしれない。 物事を一面で語ることはできない。 ひとりの人生を他人が口出しして良いことはひとつもない。 ただ、期を熟すまで待てる人間だけが信頼に値する。 その時が来るまではひたすらにしつこいくらいに、日々を重ね、生活をし、5分の会話を重ね、隣を歩くしかないのだ。辛抱強く、未来を信じ、その時を待てばよい。 陽はまた昇るとか希望が刺すとかそんなありふれた言葉ではない。そした近しい言葉は沢山あるはずなのに、この本の読後には相応しくない。 ただ、大丈夫だ。とじっくりと、じっくりと重みのある小さな核心だけが心に残った。
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