
DN/HP
@DN_HP
2026年7月12日
死んでいない者
滝口悠生
かつて読んだ
archive
ambient
この小説の登場人物の1人はフィールドレコーディングした音に自分で演奏した音を重ねて音楽を作っている。これはアンビエント・ミュージックのひとつの手法でもあるぽいけれど、フィールドレコーディングされたものがこの世界の見えてる部分で、そのうえに重ねられるギターの音はその人の思索や思い、内面を表そうとしている、と考えると、この小説の構造、書き方とも近いように思えてくる。
音と音が混ざり合いひとつの音楽になったものを味わうように、この小説の語りも視点もエピソードも内も外も境目が曖昧になり混じりあい、過去の思い出から未来も語り、死者との対話も描かれ、曖昧になっていく語り手と世界のそれらを視点も超えて俯瞰するように、あるいはハーモニーを味わうように読めば、ああ、これが小説で世界を描くということか、と思えてくるのだった。
吉村弘 の『Green (SFX Version)』というアルバムを聴いていたら、この小説のことと、数年前に書いた上の文章のことも思い出した。またこの小説を読みたくなってきたし、そのときにはそんなキッカケになった音楽もやっぱり流してみたい。










