
Magmel
@magmel
2026年7月12日

イン・ザ・メガチャーチ
Audible Studios,
大森ゆき,
岩崎了,
朝井リョウ
Audibleで聴き終わった
オーディブルで聴きました。
朗読のお二人の表現力は見事でストレスなくずっと聴けました。
内容については、かなり巧いと感じるけれど、同時に好きではなかった。その好きになれなさがかえって好感が持てるという奇妙な読後感。
巧いと思うのはすべてにおいてで、最たるものはバランス感覚。三つの視点を交互に行き来しながら、それぞれの内面、越し方行末を「正確に」描き出している一方、それぞれの場に登場するわかりあえない他者や共感や連帯を育める他者の存在感もかなりリアル。人物描写も社会への眼差しも素晴らしく巧い。そして、なにかを貶すでも賛美するでもないバランス感覚が見事だと感じたと同時に、そのバランス感覚によって保たれた平静なメタ視点がずっと読者である私にも与えられ続けていた。
あえて没入しきれない作りにしてあるのは、このテーマを扱ううえでもっとも誠実な姿勢だと感じるが、そもそも物語を読むときに没入感を削いでくるものに対して私は嫌悪を覚えるという致命的な噛み合わなさがあった。読み返したいとは思わないけれど、かなり身につまされるものが多かったのも事実。変な読後感だけれど、触れておいて良かったなと思います。ただ文字で読んでいたら途中で目が滑って読みきれていなかったかもという気もする。