
Haruhito
@haruhito27_reads
2026年7月12日
短くて恐ろしいフィルの時代
ジョージ・ソーンダーズ,
岸本佐知子
読み終わった
あまり好みではなかった。寓話性のためにキャラクターが一面的になると、その言動に「あざとさ、わざとらしさ」を感じてしまう。
風刺を楽しむには、その現実問題が喉元を過ぎていることが肝なのかもしれない。なんだか呑気な絵空事に思えてしまった。作中の言葉を借りるなら、〈国民生活楽しさ指数〉が下がってしまい、『遠くで助けを待っている人々のことが気にかかり、もうわれわれの心は二度とうきうき弾まない』、そんな感覚だった。だが、本書は2005年に発表されたものらしい。これをどうとらえるべきか。色褪せていないと賞賛すべきか、私たちの社会が変わっておらず、そして小説もまた無力だったと思うべきか。
