
おとうふ
@Ritty15
2026年7月8日
蜜蜂と遠雷(下)
恩田陸
読み終わった
メモ📝
「だけど、そもそも我々は何かを殺生しなくては生きていけないという矛盾した存在なんだ。我々の生存の基本となる、食べること自体がそうだろう。食べるという行為の楽しさは、罪深さと紙一重だ。僕は、野活けをする時に、いつも後ろめたさや罪深さを感じているよ。だから、活けた一瞬を最上のものにするよう努力している」
富樫は考えながら続けた。
「化粧品会社のコピーにあるだろう。一瞬も、一生も、美しく。たぶん、一瞬というのは永遠なんだ。その逆もしかり。最上の一瞬を作る瞬間は、活けている僕も最上の一瞬を生きていると実感できる。その瞬間は永遠でもあるんだから、永遠に生きているとも言えるね」
「再現性という点では、活け花と同じでほんの一瞬。ずっとこの世にとどめておくことはできない。いつもその一瞬だけで、すぐに消えてしまう。でも、その一瞬は永遠で、再現している時には永遠の一瞬を生きることができる」




