
本屋lighthouse
@books-lighthouse
2026年7月12日
プシコナウティカ
松嶋健
読んでる
世界がオプション・メニュー化されるというのは、誰かがすでに何らかの加工・処理を施した結果・産物としてのプロダクト(product)を手に入れることは容易だが、結果にいたるまでのプロセス(process)に関しては自分でアクセスし経験することが難しくなり、高くつくものになるということである。自ら経験することがなければ、その選択肢の外を具体的にイメージすることが困難になるし、探索と工夫の余地は現実的にもますます限定されてくるだろう。人は、あくまでもそうした選択肢の範囲内で「自由に」振る舞うことが許されるだけになってしまう。(p.411)


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要するにイタリア人は、システムをそう簡単には信用しないし、基本的にシステムがうまくいかないことを前提にして生きているということなのである。システムがうまく機能している状態が当り前だとする人々にとっては、システムがうまく機能しないことは問題であるし、不愉快なことであるだろうが、システムがうまく機能しないことを当り前と考える人々にとっては、うまくいかないからこそ能動的に働きかける工夫の余地が生じるのだ。そこでは逆に、システムがうまく機能しているというのは不愉快なことであり、自己の能動性を封じられているように感じられる。つまり、「生きている」度合いが弱くなってしまうのである。(p.421)